甲状腺眼症

甲状腺眼症の治療について

甲状腺眼症とは?

甲状腺眼症(こうじょうせんがんしょう)は、バセドウ病などの甲状腺の異常に関連して起こる目の病気です。 まぶたの腫れや目の突出、目が乾く・痛む・かすむといった症状があり、外見の変化や見え方の不快感が日常生活に大きな影響を与えることもあります。

病状が進行すると、物が二重に見える(複視)や、視神経が圧迫されて視力が低下するといった重篤な症状に至ることもあるため、早期の診断と専門的な治療が重要です。

主な治療法

甲状腺眼症の治療は、症状の進行度や炎症の強さに応じて段階的に行います。

内科的治療
(内分泌科との連携)

まずは、甲状腺ホルモンのコントロールが最優先となります。バセドウ病や橋本病といった基礎疾患の治療を、内科や内分泌科と連携しながら進めていきます。

ステロイド治療

目の周りの筋肉や脂肪組織に炎症が強い場合、ステロイド(副腎皮質ホルモン)を点滴や内服で投与して、腫れや痛みを抑えます。

放射線治療・手術治療

難治性や重症例では、眼窩(がんか)への放射線治療や、眼球の突出を改善するための減圧手術、眼位のずれを整える斜視手術が必要になることもあります。その際は、大学病院や高度医療機関と連携しながら、患者さまにとって最も負担の少ない形で治療を進めてまいります。

検査について

西脇市の長井眼科では、以下のような専門検査を行っています。

  • 眼球突出の評価
  • 眼球運動障害(複視)の検査
  • 視神経機能検査(視野検査・OCT)
  • CT/MRI 画像診断(提携医療機関にて)

院長からのメッセージ

甲状腺眼症に悩まれる皆さまへ

甲状腺眼症は、目の症状だけでなく、見た目の変化や生活の質の低下など、患者さんにとって身体的にも精神的にも負担の大きい病気です。

私自身、大学病院では眼窩疾患(がんかしっかん)を専門に診療してきた経験があり、甲状腺眼症に対する診断・治療には特に力を入れて取り組んでまいりました。 西脇市周辺の地域の皆さまにも、高度な眼科医療を身近に安心して受けていただけるよう、専門医として責任を持って対応いたします。

「まぶたが腫れてきた」「目が出てきた気がする」「物が二重に見える」といった症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。 必要に応じて他科や他院と連携しながら、あなたにとって最適な治療を一緒に考えてまいります。