糖尿病網膜症
糖尿病網膜症の治療について
失明を防ぐために、早期発見と継続的な管理を
糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症のひとつで、目の奥（網膜）の血管が障害されることによって視力が低下する病気です。進行すると失明に至ることもある重大な疾患ですが、定期的な眼科検査と適切な治療によって視力を守ることが可能です。
糖尿病網膜症とは
糖尿病により、血糖値が長期間高い状態が続くと、網膜の毛細血管が傷つきやすくなり、以下の症状が発生し、視力に障害が起こります。
- 出血
- むくみ（黄斑浮腫）
- 新生血管（もろく破れやすい異常な血管） など
糖尿病を患ってから数年〜十数年経ってから症状が出ることが多く、自覚症状がないまま進行するケースもあります。
主な症状
- 視界がかすむ、ゆがむ
- 見えづらくなる
- 黒い影（飛蚊症）のようなものが見える
- 視野の一部が欠ける
- 急に視力が落ちる
これらの症状がある場合、病気がすでに進行している可能性があります。症状が出る前の定期的な検査がとても大切です。
長井眼科での検査・診断
長井眼科では、以下のような高精度の検査機器を用いて、糖尿病網膜症の早期発見・適切な診断を行います。
- 眼底検査（散瞳検査）
- 光干渉断層計（OCT）による網膜の断層画像解析
- 蛍光眼底造影検査（必要に応じて）
これにより、自覚症状が出る前の微細な変化も見逃さず、早期からの対応が可能です。
主な治療法
糖尿病網膜症の進行度に応じて、以下のような治療を行います。
1. 内科的治療の連携
- 血糖値、血圧、脂質などのコントロールが最も重要です。内科や糖尿病専門医との連携のもと、全身管理を含めた治療を進めます。
2. 薬物治療（抗VEGF硝子体注射）
- 黄斑浮腫がある場合には、抗VEGF薬を眼内に注射することで、むくみや新生血管の成長を抑制し、視力の回復を目指します。
3. レーザー光凝固治療
- 出血や網膜の酸素不足を抑えるために、網膜の一部にレーザーを照射します。進行を止める目的で行われ、視力低下を防ぐのに有効です。
4. 硝子体手術
- 重度の出血や網膜剥離がある場合には、網膜硝子体手術を行うことがあります。当院では、網膜硝子体疾患を専門とする院長が、専門性を活かした適切な治療方針を提供いたします。
院長からのメッセージ
糖尿病網膜症は、適切な時期に発見し、継続的に治療・管理していくことで視力を守れる病気です。
私は、網膜硝子体疾患を専門に研鑽を積み、日本眼科学会認定の眼科専門医・医学博士・PDT認定医として、患者さま一人ひとりに合った丁寧な診療を心がけています。
「糖尿病があるけれど、目の検査を受けたことがない」 「最近見えにくくなった気がする」 そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの大切な“見える力”を、しっかり守っていきましょう。
糖尿病と診断された方は、症状がなくても年に1回の眼科検診を受けましょう。